福岡ユニット研究動画集


球と石礫形状粒子を用いた高濃度土砂流の数値シミュレーション


球,土砂濃度0.20

球,土砂濃度0.44



石礫,土砂濃度0.20

石礫,土砂濃度0.44


土石流流動の推定や河川の洪水中の土砂移動を推定するために,粒子の形が水と土砂の混合流れに及ぼす効果を明らかにすることが重要です.本研究では,個々の粒子の運動とその周りの水の運動を詳細に解析できる数値シミュレーションモデルを使って解析を行い,粒子の形が高濃度土砂流に及ぼす効果を考察しました.上の動画では,土砂濃度が0.20と0.44の2パターンの土砂濃度を対象に,球と石礫形状粒子を用いて行ったそれぞれのシミュレーション結果を示しています.土砂濃度0.20のケースでは,球と石礫はほぼ同様の速度となっていますが,土砂濃度が大きな0.44のケースでは,石礫の方が球よりも速度が大きく低下しています.このことから,粒子の形の効果は高濃度になるほど顕著に現れ,高濃度では球と比べて石礫の土砂流の速度は大きく低下することがわかります.
(参考文献:Tomoo Fukuda, Shoji Fukuoka: Interface-resolved large eddy simulations of hyperconcentrated flows using spheres and gravel particles, Advances in Water Resources, https://doi.org/10.1016/j.advwatres.2017.10.037)



水流中を高速で流下する石礫の運動に及ぼす形状の効果



洪水時の水流と土砂移動の実態を把握するためには,水流と粒子運動の混合流れの基本を理解することが重要です.本研究では,実際の石礫形状をモデル化した粒子を用いて,粗面乱流中を転動・跳躍する単一粒子の運動を解析し,形の効果に関する基礎的理解を深めました. 以下の動画では,4つの異なる形状の粒子運動を示しています(0.1秒ごとにプロット).円形に近い輪郭を持つ楕円体型粒子・球は転動し,頂部を有する洋ナシ型粒子は,頂部が底面と接触することにより大きく跳躍しまます.また2つの形状特性を持つ円盤型粒子は,投入時の粒子の姿勢により,その後の移動形態が変化します.頂部があり跳躍形態の多い粒子ほど,移動速度が大きくなることが分かります.
(参考文献:Yuya Takakuwa, Shoji Fukuoka: Motions of single and a group of particles with different shapes flowing down in fixed bed channels. The 3rd symposium on two-phase modelling for sediment dynamics in geophysical flows, THESIS-2016, Tokyo, Japan)



異なる形状の石礫群を用いた数値移動床実験


本研究では,石礫河川の洪水中の土砂移動に及ぼす粒子形状の影響について理解を深めることを目的に,形状が異なる一様な粒径の石礫群を用いた数値移動床実験を行っています.動画から,2つのケースでは礫の移動量が大きく異なり,また,河床表層の粒子の姿勢が変化していくのが見られます.
(参考文献:熱海孝寿,福岡捷二:水流中の異なる形状の石礫群の堆積構造と流れ場に関する研究,第73回土木学会年次学術講演会,Ⅱ-067,2018.)



波状跳水から完全跳水への遷移過程の解析



堰等の大型越流構造物下流の跳水及びその減勢区間の流れを効率的に検討するための新しい非静水圧準三次元解析法について検討しています.動画は,水路上流端の流量を徐々に大きくしフルード数を1.47から3.17まで変化させ,波状跳水から完全跳水への遷移過程を解析した結果です.流量の増大に伴い波状跳水が下流に移動するとともに一波目頂部の流速が低下し,フルード数が2.1を超える19秒以降,砕波により波高が減衰し完全跳水に遷移する様子がわかります.



洪水流による阿賀野川河口砂州変動の解析




洪水による阿賀野川河口砂州変動解析の結果を示しています.洪水中河口砂州が拡幅していく様子や洪水ピーク時前後より開口部中央へ土砂堆積が生じる様子が分かります.
(参考文献:立山政樹・山﨑友子・田部成幸・内田龍彦・福岡捷二:洪水流による河口砂州フラッシュの新しい解析法に関する研究,河川技術論文集,第19巻,pp.183-188,2013.6)



五十嵐川・刈谷田川の合流と中ノ口川の分派を含む信濃川河道区間における洪水時の水深コンター



五十嵐川・刈谷田川の合流と中ノ口川の分派を含む信濃川河道区間における洪水時の水深コンター
(参考文献:田端幸輔,福岡捷二,内藤和久:平成23年7月豪雨による信濃川下流域の洪水流下特性とその解析法 ―五十嵐川,刈谷田川の合流と中ノ口川の分派を含む河道区間を対象として―,土木学会論文集B1(水工学), Vol.69, No.4,I_787-I_792,2013.2)

▲先頭にもどる